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2021.08.31

🎮ポストコロナのゲーム業界をグローバルスタンダードで解釈!📱

TAG: 日本 海外 韓国

新型コロナが多くの業界に影響を及ぼした2020年。ゲーム産業もこれまでにない大きな変化がありました。全世界のモバイルゲーム市場の規模は18%の成長を遂げ、海外市場で新規ゲーマーを獲得するための競争が加速する中、特に日本と韓国でのマーケティング競争が激しかった1年となりました。

 

 

 
ゲーム業界でユーザー獲得(UA: User Acquisition) のための費用が増加

 

 

2020年は、グローバル市場のゲーム売上上位5ヶ国のである米国、日本、韓国、ドイツ、台湾ともにペイドマーケティング(Paid Marketing)を経由したユーザーの獲得率が増加しました。グローバル平均でペイドマーケティングの割合が13%増加しており、日本では20%、韓国では15%上昇したことが分かりました。

 

また、昨年1年間のインストール当たりの費用(CPI)は、日本は41%、韓国は29%も上昇しました。 一方、競争が激しくなるにつれ、ユーザーがインストールする新規ゲーム数が多くなり、ほとんどの国でリテンション率が約10~15%下落しました。

 

出典: Google x AppAnnie x AppsFlyer 「2020 Go Global Gaming New Insights Report」, 2020

 

 

 

 

 

 

日本、韓国のゲーム市場が競争が激しくなった原因:中国発ゲームの躍進

 

 

最近、中国発のモバイルゲームが日本と韓国の市場を席巻しているとのニュースを見かけるようになりました。

 

日本は、世界的認知度を誇るIPでゲームを開発する会社が多い国ですが、日本のサブカルチャーを取り込んだ中国製ゲームに流れるゲーマーが増えております。

 

米調査会社センサータワーによりますと、日本のモバイルゲームの市場規模は2021年1~6月に約97億ドル(約1兆700億円)。17年1~6月と比べ63%拡大しましたが、牽引役を務めたのがこの4年間で成長した中国発ゲームだったとのことです。

 

タイトル別では、21年はトップ10に中国製が3つ入り、網易(ネットイース)のバトルシューティングゲーム「荒野行動―スマホ版バトロワ」が7位、ロールプレイングゲームの「原神」が9位、「放置少女~百花繚乱の萌姫たち」が10位でした。17年のトップ10では中国製はゼロだったことを考えるとすごい勢いです。

 

 

 

 

 

 

 

韓国市場の場合、2020年の売上の約1/4を中国発ゲームが占めており、今までRPGがメインだった韓国ゲーム市場に戦略、アクション、アドベンチャーのような新しいジャンルで攻めている印象です。

 

韓国で中国ゲームをプレイするユーザーの平均年齢は比較的低く、モバイルゲームを始めてプレイするユーザーが多いことが分かりました。また、購買力の高いIPファンが多いTop5ゲームを除くと、中国ゲームの方が客単価をがほぼ1,000円近く高いことも驚きです。

 

 

 

 

 

 

台湾の事例紹介

 

 

ゲーム市場のグローバル化が激しくなっており、特に国内市場の場合には競争が急速に増加しています。ここで台湾市場の変化に注目する必要があります。

 

台湾の場合、他の国より早くからグローバルゲームたちの競争が激しかった国です。中国ゲーム会社は同じ言語圏のため、日本からはアニメーションが最も普及された国であるため、また韓国は、韓国発のMMORPGが大ヒットした国である台湾は、日中韓3カ国のゲーム会社の海外進出の試験台になりました。

 

その結果、台湾ではCPIが非常に早く上昇しました。しかもあまりにも新作ゲームが続出したため、高いCPIにもユーザーを集めるのがとても難しかったようです。結果、マーケティングにおいて「単価」より「ユーザーのボリューム」がマーケティング媒体選定にとって最も重要な尺度となりました。

 

 

 
ハイブリッドゲームがバズる時代

 

 

昨年、グローバル市場では新しい試みをしたハイブリッド型ゲームがユーザーに好評をいただきました。 去年、グローバルゲーム市場でのジャンル別売上貢献度グラフをご覧ください。アドベンチャー、戦略、アクションなどのジャンルは9%~17%と高い成長が見られます。

 

 

 

 

出典: Google x AppAnnie x AppsFlyer 「2020 Go Global Gaming New Insights Report」, 2020

 

 

 

ところが、売上成長率上位30位のゲームを見ると、半分以上がジャンルをミックスしたハイブリッドのゲームでした。このような変化に対して、「これ以上「差別化」できる余地を広げるため」との解釈が出ております。要するにこれらの変化はゲーム産業全般においての生存戦略ともみられます。

 

 

出典: Google x AppAnnie x AppsFlyer 「2020 Go Global Gaming New Insights Report」, 2020

 

 

 

 

 

これからの日本と韓国のゲーム市場は?

 

 

中国のゲームをプレイするユーザーは、低年齢層の比率が高く、既存のIPファンではない新規ゲーマーの割合が高いです。このように低年齢層のユーザーが楽しめる海外ゲームは、数年後には価値のあるIPに成長し、ユーザーも課金力をさらに備えるでしょう。

 

今後、ゲーム業界ではマーケティング競争の激化が見込まれております。ユーザー獲得コストは増える一方、自由度の高い冒険とストーリー、そしてクリエイティブな面白さを提供できるハイブリッド・新規IPに向けて大規模な投資が必要とされるでしょう。

 

変わらない事実は、良いコンテンツは言語や国籍と関係なく多くの人々を引き込むということ。今後の流れがとても興味深いですね!

 

 

 

 

 

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