最近、ファッション業界で、企業と消費者の両軸でエコフレンドリー活動が起きているようです。

先ず、ファッション系で今最も話題になっているキーワードと言えば、「環境に優しい」ではないのでしょうか。社会全般で環境保護への意識が高まっている中、捨てられたプラスチックを素材として新しい服を作ったり、余ったストックで新たなデザインを生み出すなどの動きが消費者に好評を博しています。

一方、消費者側では、ブランドの限定商品を購入し、着なくなったものは転売して収益を得る「リセラー」（reseller）活動が増え、中古品への認識が徐々にポジティブな領域に移動していく様子が確認できます。経済産業省が2019年5月16日に公表した、「2018年の電子商取引（EC）市場に関する調査」結果によると、フリマアプリ市場は前年比3割以上の高い伸びとなり、6392億円まで拡大したとのことです。

フリマアプリの推定市場規模（単位：億円｜出所:経済産業省）

一般人のリセール行動について、SaveOnEnergy社が興味深い調査を行いました。世界でどんなブランドのものが最もリセールされたかについてのレポート『世界で最も転売されているブランドは？（Which fashion brands are the most resold around the world?）』を公開しており、今回ご紹介したいと思います。

世界で最もリセール（転売）されているブランドは？

SaveOnEnergy社は、2021年4月6日から7月6日の間、Depop、eBay、ASOS Marketplace、Etsy、Vestiaire Collectiveなどのリセールサイトで転売されたファッションアイテムデータを分析し、最も転売されたブランドを調査しました。

＜世界で最も転売されているブランドランキング20＞

1位　Nike（ナイキ）
2位　Zara（ザラ）
3位　Topshop（トップショップ）
4位　Asos（エイソス）
5位　Adidas（アディダス）
6位　Ralph Lauren（ラルフローレン）
7位　H&M（エイチ・アンド・エム）
8位　PrettyLittleThing（プリティリトルシング）
9位　River Island（リバーアイランド）
10位　Boohoo（ブーフー）
11位　Urban Outfitters（アーバン・アウトフィッターズ）
12位　Gucci（グッチ）
13位　Tommy Hilfiger（トミー ヒルフィガー）
14位　Levi’s（リーバイス）
15位　Champion（チャンピオン）
16位　Missguided（ミスガイデッド）
17位　Jordan（ジョーダン）
18位　Puma（プーマ）
19位　Off-White（オフホワイト）
20位　CK（カルバン・クライン）

調査結果、さまざまなリセールサイトで一番取引されたブランドは、Nikeでした！次いでファストファッションブランドのZaraが全体で2番目に再販されたブランドとして位置付けられました。ファストファッションブランドは、低価格で素早く数多い商品を展開する構造のため、普段環境への影響について多くの批判に直面していましたが、このように消費者同士でリセールされていることは興味深いですよね。

また、20-30代の利用率が高いAsos、PrettyLittleThing、Boohoo、MissguidedがリセールTopランキングに入っていることから、若い世代の中古販売へのポジティブな認識が確認できたとのことです。今後も衣服のリセール市場は増加傾向にあると見込まれております。

*出典1：経済産業省、「2018年の電子商取引（EC）市場に関する調査」

*出典2：SaveOnEnergy、『Which fashion brands are the most resold around the world?』