2021.09.27
日本のEC市場はまだブルーオーシャン!食品系ECサイトの可能性🥬
皆さんは買い物の時、どんなルーツをよくご利用されますか?「昔と比べて断然ECでの購入が増えた!」と思いきや、「これはさすがにオフラインで購入した方が良いよね…」と思わせる商品もあるかと思います。今回は日本のEC取引規模と、国内ECで注目される部門についてご紹介します。
日本のEC規模は世界4位
アメリカの市場調査子会社 eMarketer によりますと、21年の物販系分野のEC市場サイズが最も大きい国は中国で、前年同期比21%増の約2,779兆ドル規模になると予測しております。次いでアメリカが6.1%増の843兆ドル、3位のイギリスは-6.3%の169兆ドル、日本は 2%増の144兆ドル規模で世界4位になる見込みです。
グローバルEC市場規模及び成長率(単位:10億ドル)
実は成長の余地が多い日本のEC市場
ところで日本市場は他の国と比べて少し独特な位置付けをしているようです。小売全体の中でのEC利用の割合を示す「EC化率」は、2019年はたったの8.7%。EC規模1~3位の国と比べるとかなり低い数値です。
経済産業省が2021年7月発表した「電子商取引に関する市場調査」では、日本国内のECサイト販売は12兆2000万円規模で、前年比21.7%増加したことが分かりました。これは全体取引の中の約8.08%(前年比1.32%増)を占める規模です。2020年は確かに新型コロナの影響でEC利用率が伸びたこともありますが、日本のEC市場は今まで堅調かつ徐々に伸びてきたと言って過言ではありません。
グローバルEC化率(2019年)
消費者はどんなものをECでよく購入する?
最もECサイトでの購入が多い商品はどれでしょう?経済産業省の資料によりますと、Top 3は、「書籍、映像・音楽ソフト」(42.97%)、「生活家電、AV 機器、PC・周辺機器等」(37.45%)、「生活雑貨、家具、インテリア」(26.03%)でした。その反面、EC化率が低い分野は、「食品、飲料、酒類」(3.31%)、「化粧品、医薬品」(6.72%)でした。
コロナ禍で食品EC市場に変化が?
小売市場で最も大きいパイを占めている「食品」分野は、なぜEC化率が低いのでしょうか?それは既に優れたオフライン流通チェーンが整えているため、配送料の負担を抱えながら購入する必要性を感じない消費者が多いこともあれば、事業面として食品配送に必要なコールドチェーンへ大規模投資が必要なところから参入が難しいことが考えられます。
一方、新型コロナウィルスをきっかけに食品購入トレンドには変化が表れているようです。2020年から巣ごもりライフスタイルが拡散され、食品ECのリーディングカンパニーの Oisix と セブン&アイ・ホールディングス(EC)の売上は1,000億円を超えており、楽天と西友は「楽天西友ネットスーパー」事業で2025年まで1000億円売上を目標として投資を続けております。
食品分野以外の部門はグローバルスタンダードに近い日本のEC化率。購入パターンが少しずつオンラインにシフトしていく中、今後食品カテゴリーも近いうちに初期成長段階を突破するのではないでしょうか。
直近では韓国のアマゾンと呼ばれるCoupang(クーパン)が2021年6月より東京都 品川・目黒・渋谷エリアを中心に生鮮食品の配達事業に参入しており、日本EC市場のポテンシャルをチャンスと捉える事業者も増えることから、今後の食品系ECサイトは益々成長していく見込みです。